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あるクリムゾンダークの死
クリムゾンダークのエドワードに賞金が掛けられてほぼ1年だ。ほとんどの首長が彼の首に賞金を掛けていた。だが支払ったのは1人だけだ。
当時は大事だったが、正直な所すっかり忘れてしまっていた。だがこの間の日曜、カジートが門のところで隊長に会わせろと言って騒ぎ始めた。彼は月がおしゃぶりをしている赤ん坊の頃から、エドワードを追い続けていると言っていた。
ファルクリースの墓地に行けとそいつに言ってやった。野郎は死んで埋められ、虫のエサになったと。
その報せを伝えた時、彼が浮かべたのが不信だったのか、失望だったのかはよく分からなかった。それが本の中の話と関わりがあったのだろうか。もしそうなら、ここにくるまで彼がどれほど遠くから旅してきたか想像もつかない。もっとも小指を失ってしまってから、数えるのは私の役割ではなくなった。
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