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大エルベロンの日記、第3巻



夏はトンネルやパイプが迷路のように入り組み、もう数百年も放置されていることは明らかで、まさに混沌と化していた。石の裂け目からは見渡す限り溶岩が噴出し、耐えがたい暑さのせいで足取りもおぼつかず、下級の傭兵たちの多くは涼を取るために撤退を余儀なくされた。だが、ドゥーマーはこの猛暑を予測していたのだろう。彼らにとっては、この耐えがたい天候こそが夏だったのだから。さらに、猛暑の中を歩いていると、修理スパイダーが行き来していることに気づいた。スパイダーたちが私を無視して部屋の側面へと進むと、巨大なレバーが現れた。そしてそのレバーを引くと魔法の冷却剤のようなものが放出され、耐えられないほどの暑さが単に不快な程度の暑さへと軽減された。私は十分な数のスパイダーを猛暑の場所に誘導して冷却レバーを引かせることができれば、この夏の部屋の秘密を解き明かせるかもしれないと考えた。



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